ホテルやレストランで食事をするとき、白いテーブルの上にきれいに並べられたフォーク・ナイフ・スプーンをよく見ると、silver
と刻印されていますね。その銀の歴史は古く、中世のヨーロッパでは銀の食器を使っていたようで、当時描かれた絵画の中にも、フルーツが盛られた銀皿の食器が描かれています。
水の中の微量な銀イオンが、安全で優れた除菌効果を持つことは、1929年ドイツのG・クラウスによって証明されました。
その昔、お殿様が食事の際には、銀の箸が使われていました。当時、毒素には「毒砂」と呼ばれていた硫ヒ鉄鉱がありました。その成分中には硫黄が含まれており、それが銀の箸と反応すると箸が黒ずみ、硫化銀(AgS)となることを利用して毒物の有無を確認していたわけです。江戸時代にすでに銀の力を知っていたなんて素晴らしいですね。
銀は、古くから食器として使用されていたばかりでなく、食品添加物としても認可されています。製菓材料のアラザン、水道蛇口につける抗菌材料、お父さんたちがよく口にする仁丹の銀粒やチューインガム・タバコの銀箔、さらには靴下・肌着など、私たちの身近なところで多く利用されています。もし体内に取り込まれたとしても、銀は速やかに排出され、体内には約10%しか吸収されません。
ときどき、水俣病の原因となった「水銀」を「銀」と勘違いし、銀まで有毒だと思い込んでいる人がいますが、銀は有毒な水銀とは元素記号が異なる全く違う物質であり、銀は大量誤飲による以外、危険性はありません。日本の飲料水基準では、銀の含有量規制値は設定されておらず、飲料水の除菌にも応用されています。欧米などでは飲料水を塩素ではなく銀で除菌している国もあります。
銀は人体の血液中に 0.003mg/リットル含まれています。日常の食事からは0.0014〜0.008mg の銀が摂取されています。中毒症状を起こす量は
60mg で、致死量は 1.3 〜 6.2g です。
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